こんにちわ、かなめです。
最近、前々からずっと読みたかった本を購入し読破したので、今日はゲームから離れて本のお話をしたいなぁと。
とはいえ、FF14からは切っても切り離せない方が著者なので、実質FF14の記事で通せるはず…!
ということで今回はこちらの本をご紹介したいと思います。
吉田の日々赤裸々。

ファイナルファンタジーXIVのプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹さんが著者のこの本。週刊ファミ通で連載されていたコラム記事が単行本になったものです。
最近FF14をプレイしはじめた方からすれば「は?誰だよ」となっているかと思いますが、FF14を絶望のドン底から立て直した凄腕プロデューサーです。(ディレクターもやってるよ!)
今こそユーザー満足度も高く、新規ユーザーも増え続けている世界的に人気なMMORPGになっていますが、もともとFF14は一度サービスが終了したゲームです。
新生エオルゼアと呼ばれる今のFF14は、旧FF14と呼ばれる当時の作品を作り変えることで生まれ変わった作品。吉田直樹さんはその立て直しに貢献した中心人物になります!
普通MMORPGという大規模なゲームを作り変えるとなると、4~5年単位の年月を製作に使うものなんですけどね。この方はわずか2年で根本のシステムから全てを一新して作り変えたんです。
それで今のこの盛況具合…。
一発逆転とはまさにこのことだなっていつも思います。
吉田直樹さんついてもっと知りたい!という方はこちらから!↓
旧FF14について少々
さて、話にも出てきた旧FF14ですが、とても悪い意味ですごいゲームでした。
簡単に3つほど悪い点を紹介すると
- まともにゲームをプレイできない
メニューを開くのに数秒、カーソルを動かすのに数秒かかるほど動作が重い
- 装備を着替えるのに数分かかる
動作が重すぎて装備を変えるのすら一苦労
- テスト版から改善されないまま、製品版が発売
バグやらエラーやら動作周りが不完全
そもそも描写が無駄に丁寧すぎてマシンに不可がかかりすぎる
この3点だけでも相当やばいのがわかると思います。でもまだまだ掘れば出てくるのが旧FF14の恐いところ、検索すればほかにもたくさん悪い部分が出てくると思います…w
今では考えられないような仕様だったのですが、本当によく立ち直してくれました。
本を読んでみての感想
結果から伝えると、非常に読みやすく、ゲームが大好きな人であればあるほど楽しく読める本だった!
…いや我ながら、めちゃめちゃ抽象的な感想だな。。
もう少し具体的な感想をあげると、ゲームを立て直す・作り直すことになった経緯やゲームの作り手としての考え方、プレイヤーとユーザーの違いや区分、仕事をする上でのノウハウ等が詰め込まれている本だったと感じています。
当時のスクエニという会社の背景や彼の考え方と周り考え方との板挟み、そこから出てくる苦悩や困難への対応など、社会人として学べることや共感できる部分も数多く記載されていました。
とはいえ、コラム記事を単行本化したものになるので、彼自身の苦手なもの(飛行機の話題)なども書かれており、実力のある人でもこんなことが不安だったり苦手だったりするのか~という部分が垣間見えます。
そういう部分も含めて読みやすい本だったなといった感想です!
特に印象に残っているところ
この本を読んでみて印象に残っている箇所がいくつかあるのでご紹介します。
海外運営との認識の乖離
FF14はゲームを作り変えるという点において、一度世界を破壊するという設定が採用されていました。
現行のプレイヤーの方には海外のゲームイベントで今後の展開をトレーラーとして紹介するという約束をしていたらしいのですが、海外運営チームがこれを反対。
海外運営側の意見としては
「すでに遊んでいる人(プレイヤー)にとってはどんな展開になるのか、この先どうなるのかという期待や希望を持ってもらうことにつながるのは間違いない。しかし、まだこのゲームを知らない人(ユーザー)にとっては、このトレーラーを見ても何が何やらわからない。「あぁなんかすごい動画だったね」という印象にしかならない」
というものがあがっていたそうです。
そこで彼がまた板挟みにあう苦悩が書かれていましたが、結局「このゲームを逆転させる、成功させるためには”まだ見ぬユーザー”を考えたPRをすべき」という結論に至ったようでした。
ゲームをしらないユーザーにとって何も前情報のない段階でゲームの続きとなるトレーラーを見せられても「???」としかならないという部分は、個人的にビジネスの観点でとても参考になりました。
実際のトレーラーはこちら!(たぶんこれ)↓
何も知らない人にこれを見せられても「うーん…」となるのはわかる気がします…w
テンションを維持する
FF14では様々なイベントが実施されています。
今はコロナ禍の影響でリアルイベントの実施は難しくなってしまいましたが、ファンフェスティバルやオーケストラコンサート、東京ゲームショウへの参加やリアルFATEイベント等、ユーザーと開発・運営側が直接触れ合うことができるイベントも多数おこなわれていました。
こうしたユーザーと触れ合う時間を作ることで、開発側とユーザーとのテンションを常に同じように維持し続けることを大切にしているという内容も書かれています。
実際にPLL等を見ていても、運営側の考え方や実装に踏み切った理由、実装できなかった理由などをしっかりと提示してくれているからこそ、ユーザーからの信頼も生まれているように感じます。
本には「運営とプレイヤーは一種の運命共同体」とも書かれていて、ともにゲームを楽しんだり仲良くしたりできれば、最大のリテンションにつながるという考えがあるようです。
リアルイベントに参加した際に「同じゲームをプレイしている人がこんなにもたくさんいるんだ!」と感じてもらうことでテンションを維持でき、開発側も同様にプレイヤーやユーザーの方から力を分けてもらえるというwin-winの関係を築いていくという点がすごく印象的でした。
新規プレイヤーにこそ読んでほしい一冊
最近FF14をはじめるユーザーがかなり増えているように感じます。
まだまだゲームについても知らないことだらけだと思いますが、このゲームがどんなチームによって運営・開発され、どんな人物によって立ち直されたものなのかを是非知ってもらいたいなと思います。
いきなり本を買うのはちょっと…。
という方は、ぜひyoutubeなんかで過去のPLLやインタビュー動画を視聴してみてください!彼の話し方や伝え方、そのプレゼン能力の高さには尊敬すら覚えるはずです…!
本当に聞いていて気持ちのいいトークですし、何より理解しやすいので地頭の良さはやっぱりすごいなと思います。正直ゲーム開発者でここまでマルチに活躍できる人材はなかなかいないんじゃないでしょうか…?
今回ご紹介した「吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか」に関しましては、そんな吉田Pの物事や出来事に対しての考え方や価値観など掲載されているので、気になる方はぜひお手にとってみてくださいね!

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